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政府、景気底上げ策に6・6兆円 増税負担増を帳消し

 政府は消費税率10%への引き上げに向け、計6兆6千億円分の景気底上げ策を準備した。予想される6兆3千億円の国民負担増を帳消しする規模だ。前回、平成26年4月に消費税率を8%へ引き上げた前後は大きな駆け込み需要と反動減が生まれ、増税後の国内総生産(GDP)成長率も低迷した。今回、対策を手厚くしたのは、前回と同じ失敗を繰り返さないという強い思いがあるからだ。

 「うまく活用してもらえれば、経済への影響を最小限にできる」。西村康稔経済再生担当相は9月19日の産経新聞などのインタビューで、政府の対策に関してこう述べた。

 景気底支え策に関する政府の試算によると、住宅ローン減税などの税制措置で、3千億円の負担減がある。現金を使わず買い物するキャッシュレス決済へのポイント還元策など、令和元年度予算に盛り込まれた「臨時・特別の措置」で2兆円の負担が減る。

 さらに、消費税増税とともに始まる幼児教育の無償化などで3兆2千億円、飲食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率の導入で1兆1千億円の負担減。計6兆6千億円だ。

 一方、負担増は、消費税率を8%から10%へ引き上げることなどで5兆7千億円、軽減税率による税収減を補うためのたばこ増税などで6千億円となり、計6兆3千億円に達する。

 8%に消費税率を上げた前後は自動車、住宅といった耐久消費財を中心に駆け込み需要と反動減があり、増税後、消費の低迷が続いた。実質GDPの成長率(年率換算)は、26年1~3月期の前期比3・9%増から4~6月期は7・3%減へと急落した。

 今回は目立った駆け込み需要が起きていないが、大きな理由は、政府の対策が周知され、消費者が慌てて耐久消費財を買い込むといった行動に出ていないからとみられる。

 今後の焦点は、ポイント還元策などがどこまで消費者心理の冷え込みを防げるかだ。米中貿易摩擦の長期化など海外経済の減速リスクも多い。かりに日本経済に悪影響が出る恐れが強まれば、政府は新たな経済対策を打ち出す考えだ。

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