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景況感、消費増税で先行き懸念 日銀9月短観 大企業製造業、3期連続悪化

 日本銀行が1日発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が前回6月調査から2ポイント下落のプラス5と2013年6月以来、6年3カ月ぶりの低水準だった。外需が低迷する中で景気を下支えする大企業非製造業も2ポイント下落のプラス21と2四半期ぶりに悪化。1日、消費税率が8%から10%に引き上げられた。増税の影響で先行きの景況感も厳しく、景気は正念場に差し掛かっている。

 大企業製造業の悪化は3四半期連続。個別には3ポイント下落の「化学」や「鉄鋼」、8ポイント下落の「汎用(はんよう)機械」など幅広い業種が落ち込んだ。企業からは米中貿易摩擦の影響や海外経済の減速を指摘する声が出た。

 大企業非製造業は製造業の不調に引きずられ、「卸売り」で9ポイント下落。逆に情報サービスでは軽減税率に対応したシステム開発案件の増加で8ポイント改善した。

 一方、3カ月後を示す「先行き」は大企業の製造業で3ポイント下落のプラス2、非製造業は6ポイント下落のプラス15と輸出関連企業を中心に慎重な見方が強かった。

 また、中小企業非製造業は9ポイント下落と大幅に落ち込み、前回の消費税増税直前の14年3月に記録した12ポイント以来5年半ぶりの下げ幅。業種別では「小売」や「対個人サービス」などで増税による消費意欲の減退を不安視する声が聞かれた。

 DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を差し引いた値。調査は約1万社を対象に8月27日~9月30日に実施した。

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