厚生労働省は3日、企業や個人の判断で入れる私的年金の「確定拠出年金」について、「原則59歳まで」という加入年齢の上限を引き上げる方針を自民党の会合に示した。2種類ある確定拠出年金のうち、掛け金を一人一人が払う個人型の「iDeCo(イデコ)」は64歳まで、会社側が出す企業型は69歳までにする。
増加する働く高齢者が加入しやすくして、老後の資産形成を後押しするのが狙い。確定拠出年金は掛け金の運用結果に応じて受け取る。運用がうまくいけば、公的年金に上乗せして年金額を手厚くできる。
厚労省は近く社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会にも示す。自民、公明両党と調整し、政府は来年の通常国会に関連法改正案を提出する。
確定拠出年金の加入者は、イデコが約135万人、企業型が約720万人。現在、企業型の加入期間は59歳までが原則だが、同じ事業所で60歳以降も働いている場合に限り64歳まで入れる。
政府は希望する高齢者が働ける環境の法整備を進める方針だ。これを踏まえ、公的年金と確定拠出年金について60~70歳の間で選べる受け取り開始時期を、70歳超まで拡大することを目指している。