海外情勢

世界の水源荒らす 中国の「ペットボトル飲料水」事情 (2/4ページ)

 中国の「ペットボトル飲料水」需要が急増

 いま世界では、ペットボトルに入った飲料水の消費量が増えている。それによって、世界的に大きな議論になっているペットボトルの大量消費が問題視されている。飲料水ブランドのエビアンはこの問題を重く受け止め、2025年までにペットボトルを全てリサイクルする(現在は3割)と発表するなど、対策も進められている。

 ただ問題はそれだけではない。飲料水を提供するための「水」の確保についても、大きな議論が起きているのである。

 基本的な話だが、私たちがよく飲んでいるペットボトルの水は、例えば山岳地帯の地下水などから得た水だったりする。それをペットボトルに入れ、飲料メーカーが販売しているのだ。

 ペットボトルの飲料水について語る上で欠くことができないのが、中国の存在だ。近年、中国では、世界でも特筆すべきレベルでペットボトル飲料水の需要が増加している。ペットボトル飲料水の輸入量は、2013年から18年までで実に3倍にも増加している。今では中国こそ世界最大のペットボトル飲料水市場である。

 飲料水コンサル会社ビバレッジ・マーケティングによれば、中国の飲料水消費量は、世界全体の4分の1にもなる。ただ中国では、水の汚染が深刻で消費できる量が制限されてしまっていたり、国内で得られるペットボトル飲料水よりも、特に富裕層が国外のペットボトル飲料水を求めたりすることで、輸入量も急増しているという。

 そんなことで今、中国企業が飲料水を確保するために、水源の買収などを行っている。そして、そんな国の一つであるニュージーランドでは、訴訟問題にも発展している。何が起きているのか簡単に言うと、地域から水という資源が奪われることで、地元の産業や農家などに悪影響が出るとして反発が生まれているのだ。

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