国内

公明、首相との距離感苦慮 軽減税率強調も憲法触れず

 公明党が安倍晋三首相(自民党総裁)との距離感に苦慮している。9日の参院本会議で行われた代表質問で、公明党の山口那津男代表は消費税増税に伴い導入された軽減税率の定着に向け、首相に支援を要請した。党の看板政策だけに消費者への浸透を図るのに躍起だ。一方で自民党が前向きな憲法改正については沈黙を貫いた。

 「現金で買い物をするとき『助かる』というのが、消費者の実感だ。この現実的な制度を定着させることが、国民の理解を得られる道だ」

 山口氏は代表質問後、国会内で記者団にこう強調した。念頭に「軽減税率は複雑で分かりにくい」との野党側の批判がある。

 日本維新の会の片山虎之助共同代表はこの日の質問で「キャッシュレス決済のポイント制度導入などで軽減される飲食品は5通りの税率になり、混乱する。税制の大原則である簡素や公平とは真反対だ」と論難した。

 ここで首相は山口氏と足並みをそろえ、軽減税率導入の理由を「消費者が痛税感の緩和を実感できる」と説明した。

 軽減税率は公明党が国政選挙の公約に掲げ、8日の衆院本会議でも斉藤鉄夫幹事長が円滑な実施を訴えた。対照的に、党内で9条改正に慎重意見が根強い憲法問題は山口、斉藤両氏ともに質問で触れなかった。

 山口氏は「首相は憲法尊重擁護義務を守り、改憲を積極的に促すことは控える立場だ。政府に問う代表質問で、あえて聞くまでもない」と述べる。ただ党内では「憲法に一切触れないのはいかがか。公明党が逃げている印象を与え、自民党の方針を容認していると誤解される」(党幹部)と危惧する声がある。

 首相が維新に対する答弁で「皆さんと切磋琢磨(せっさたくま)しながら、国民への負託に全力で応える決意だ」と連携を呼びかけたのも、連立を組む与党として心中穏やかではないはずだ。

 山口氏は改憲議論について「国会の側の主体的な対応が問われている」とも語った。党が“売り”にする「実行力」は発揮されるのか。(清宮真一)

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