国内

OECD、「デジタル課税」枠組み案 市場国への利益配分決定に難航

 OECDが示したデジタル課税の枠組み案は、巨額の利益を上げているにもかかわらず“課税逃れ”をしている「GAFA(ガーファ)」などを税制面で牽制(けんせい)するものだ。ただ、ネット配信サービスなどが利用されている「市場国」への利益配分を具体的にどう行うかなどは難しい調整が必要で、企業の事務的な手間が増えることが懸念される。

 OECDが新たな課税ルールの検討を進めるのは、国境を越えたデジタル配信サービスなどを従来の課税ルールで捕捉できず、英国、フランスといった欧州先進国中心に不満が強まっているからだ。

 GAFAは法人税率の低い国に利益を移し、高税率の市場国への納税を逃れている。日本でも8月、フェイスブックの日本法人が東京国税局の税務調査を受け、2017年12月期までの2年間で約5億円の申告漏れを指摘されていたことが判明。国内で得た広告料が法人税率の低いアイルランド法人に支払われており、国税局は利益が実質的に、低税率国に移されていると判断したとみられる。

 新たな課税ルールについては、日本が議長国を務めた今年6月の20カ国・地域(G20)会議で来年1月に大枠合意する計画を承認した。OECDが具体的な検討作業を進めている。

 ただ、制度設計にはさらに多くの調整が必要となる。売上高の何%から上を超過利益とみなすかを決めるのは「政治的な要素が大きい。企業や有識者らの意見も聞かなければならない」(財務省関係者)。

 超過利益のうち市場国へ配分する割合も、IT企業とそれ以外で変える必要が出てくる可能性がある。

 企業の負担も予想される。財界関係者は「(利益の実態を正確につかむため)事業ごとに利益率を出さなければならないような事態になれば、対応が必要になる」と懸念している。(山口暢彦、蕎麦谷里志)

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