国内

豚コレラ最前線、苦悩する養豚農家 清浄国並みの流通を維持できるか (2/2ページ)

国の対応は

 だが国の反応は鈍かった。国内で豚コレラワクチンの接種をすれば、国際獣疫事務局(OIE)から「非清浄国」と認定され、輸出が制限されるからだ。また、他の非清浄国から安価な豚肉輸入を迫られる可能性もある。非清浄国は、ユーラシア大陸や東南アジア、中米、南米などに約140カ国以上もある。

 しかし、岐阜県の感染確認から1年後の今年9月5日、埼玉県秩父市の養豚場で感染が確認されると、国はようやく重い腰を上げた。国内で約915万頭が飼育されている中で、東海地方は約67万頭止まりだが、関東は約235万頭。同24日、国は感染防止のためのワクチン接種を開始する方針を示した。

 三重県の鈴木知事は「とりあえず、接種により感染防止をするとした国の態度は評価する」と話した。

ワクチンのない感染も

 ただ、問題は残っている。ワクチン接種を国内全域で進めるか、知事の認可で都道府県単位で進めるかだ。

 都道府県単位で接種した後、接種豚の流通を接種県だけに限定されれば、中京や関西、関東に出荷している三重にとっては打撃が大きい。このため、ワクチン接種後の流通に関しても本州など広い範囲での流通許可を求めていく考えだ。

 8月中旬に豚コレラを抑制したリトアニアとドイツなど「清浄国」を視察した三重県紀州家畜保健衛生所の平塚恵子副所長によると「養豚場の徹底した衛生管理や、野生イノシシに対する厳格な流通規制などで克服していた」という。

 ワクチンを接種して感染を防ぎつつ、清浄国並みの流通を維持できるのか、国は難しい方程式を突きつけられている。さらに、対応ワクチンのないアフリカ豚コレラ感染が中国から隣国・韓国まで迫っている。

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