海外情勢

サモアの「刺し身の漬け」はココナツ風味

 熱帯性気候で気温が高い南太平洋の島国サモア。地元の人たちの主食はタロイモやバナナだが、新鮮なマグロやカジキの刺し身をココナツクリームであえた「オカ」も郷土料理として親しまれている。日本風に言えば「刺し身の漬け」。ほのかに甘く、ひんやりした食感が特徴だ。

 「オカは最も人気のあるメニューの一つ。1日20~30皿の注文があるわ」。首都アピアでレストラン「パドルズ」を経営するバートフ・ロッシさんが話す。

 さいころ状に切ったマグロの赤身に新鮮なココナツクリームを絡め、レモンと塩で味を調えた後、細かく刻んだキュウリ、トマト、タマネギ、パセリ、ネギを加える。彩りも鮮やかだ。

 ロッシさんの店で一時期、オカをメニューから外したところ、客から苦情が殺到。すぐに復活させたという。1皿32タラ(約1300円)で、前菜として提供しているが、オカだけを食べに来る客や増量する客も多い。

 チリソースを加える店や家庭もある。「好きなように作っていいのがオカ」とロッシさん。マグロは塩を入れた冷水に2分間漬けた後に水洗いすると魚臭さが抜け、ココナツクリームとよく調和するという。

 店ではサモア人のロッシさんが地元料理、イタリア人の夫がパスタなどイタリア料理を担当。地元の人や観光客で連日にぎわう。ロッシさんは「海外のお客さんも『こんな料理、食べたことがない』と喜んでくれる」と笑顔を見せた。(アピア 共同)

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