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韓国訪日客減、広がる余波 9月58%減 プロ野球キャンプ中止も

 韓国人訪日客が一段と減ってきた。観光庁が発表した9月の訪日韓国人旅行者数は前年同月比58.1%減の20万1200人だった。減少は3カ月連続。8月の48.0%を上回り、日韓対立の影響が深刻化。この秋は韓国のプロ野球チームが日本でのキャンプを取りやめる余波もあり、ホテルに追い打ちをかける。例年、韓国の旧正月と重なる1~2月は訪日客が増える傾向にあり、事態の長期化を心配する声がある一方、日本人や中国人客に照準を合わせる動きも出てきた。

 韓国プロ野球チームのキャンプ地として人気の四国や九州・沖縄。昨年は10~11月に8球団が来たが、今年は全て中止になった。

 宮崎県西都市は8月下旬、斗山ベアーズから「今年は行かない」と連絡を受けた。明確な理由の説明はなかったが、市担当者は「日韓関係悪化の影響で他球団と足並みをそろえたのではないか」。例年、選手や球団関係者ら約60人を約1カ月受け入れてきた市内ホテルからは「夕食用に宴会場も押さえていたのに」との嘆きも聞こえる。

 観光施設や交通機関で使える周遊パスの販売にも影を落とす。大阪市内の鉄道やバスが乗り放題となる「大阪周遊パス」は2018年度に132万枚を販売し、半数ほどは韓国人だった。8月以降は利用が低迷し、大阪観光局の担当者は「韓国人客が増える冬場までに回復してほしい」と祈る。

 観光客の8割程度を訪日客が占める大阪・ミナミの黒門市場。台湾や香港からの来訪者が多く、商店街振興組合の担当者は「日韓関係の悪化による影響は限定的」とみるが、大規模デモで混乱が続く香港からの客の動向に気をもんでいる。

 韓国以外の旅行需要取り込みを目指す動きも広がる。

 地理的に韓国頼みだった長崎県対馬市は国内戦略に注力。県と協力して11月以降、市内のホテルや旅館の宿泊料金から1人当たり1泊3000円を割り引く。対馬を訪れる日本人客は全体の1割にも満たないが、県は「韓国人客が、いつ戻るか分からない。国内誘客に努めたい」と意気込む。

 福岡市の博多港と韓国・釜山港を結ぶJR九州高速船「ビートル」。昨年から一部の便は対馬市の比田勝港を経由している。国内航路としても運航する「混乗便」に認められており、韓国人の利用減少を受け、国内向けの客席を増やす対策を取った。

 北海道は国内のシニア層に狙いを付け、温泉や食をテーマとしたツアーを新聞広告で売り込むほか、中国の大手旅行サイトに北海道観光の特設ページも用意。担当者は「韓国人客の落ち込みをカバーしたい」と話した。

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