海外情勢

インド、トイレ普及終了宣言で波紋 屋外排泄ゼロ実現遠く

 インドのモディ首相はこのほど、非暴力・非服従を訴え「インド独立の父」として知られているマハトマ・ガンジーの生誕150年に合わせて演説し、同国の一般家庭にトイレが普及して屋外排泄(はいせつ)が無くなったと宣言した。

 モディ氏の目玉政策が実現したことを強調し求心力を高める狙いだが、実態とは大きく異なっているとの批判もある。

 ガンジーが独立運動の拠点とした西部グジャラート州アーメダバードのサバルマティ・アシュラムで開かれた式典で、モディ氏は「世界がよりインドを尊敬する」と述べた。

 モディ氏は2014年10月に「スワッチ・バーラト(きれいなインド)運動」を提唱。ガンジーが、身分制度「カースト」の最下層で、排泄物の処理を行う「不可触民」の環境改善を目指したことに倣い、5年間で1億2000万世帯にトイレを設置し、屋外排泄をゼロにするとしていた。

 インドは13億の人口を抱えるが、国連児童基金(ユニセフ)などが15年に行った調査では、インドでは約5億6400万人が田畑などの屋外で用を足していた。衛生や健康に影響を及ぼすほか、女性がレイプ被害に遭うといった事件も起き、社会問題になっている。

 一方、トイレが設置されても実際には使われていないケースも多く、農村部では人口の半数程度が屋外排泄を続けているとの調査結果もある。インドメディアは「屋外排泄を減らすには、人々の行動の変化が必要だ」(経済紙ミント)と指摘している。(ニューデリー 共同)

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