経済インサイド

金融庁が“グーグル方式”を採用 「かんぽは本音言えぬ組織の典型」 (2/2ページ)

 変革が求められる時代には、金融機関も多様な意見が言い合える、風通しの良い組織に変えていく必要があるからだ。ある金融庁の幹部は、かんぽ生命の不適切販売で問題となっている過剰なノルマの問題を例に、「心理的安全性が確保されていない組織の典型だ」と指摘する。

 お金を「貸す側」の金融機関と、「借りる側」の顧客企業の関係でも心理的安全性の確保は重要だ。金融機関が顧客企業の経営支援をしようとしても、企業が警戒して本音を言わなければ、適切な助言につなげることは難しいからだ。

 平成25年に放送された人気ドラマ「半沢直樹」では、貸しはがしで中小企業を倒産に追い込む銀行や、上から目線で金融機関に立ち入り検査する役人の姿が描かれていた。

 時代は変わり、「金融処分庁」から「育成庁」への転換を進める金融庁。金融機関とのつきあい方を変えることで、金融機関側にも“気付き”を与えることができるのか、金融庁の手腕が問われている。(経済本部 蕎麦谷里志)

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