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黄金の稲穂を背にパフォーマンス、台湾「収穫芸術祭」は地域創生の手本

 台湾の最も有名なコメどころ、東部の台東県池上郷で、毎年秋に行われる「収穫芸術祭」が26、27日に開催される。著名な歌手、齊豫氏と原住民歌手、陳建年氏が、175ヘクタールの広大な田んぼに作られた舞台に立つ。

 収穫芸術祭は地元出身の企業家、和碩聯合科技(ペガトロン)の童子賢会長らの協賛で、2009年にスタートした。都市部に暮らす多忙な人々に「農業と芸術に少しでも触れてもらいたい」というのが趣旨だった。毎年、台湾を代表する芸術家を池上に招待し、黄金の稲穂を背にパフォーマンスを披露してもらう。昨年は、台湾初のプロ舞踊団「雲門舞集(クラウド・ゲイト)」の演出が内外のメディアに取り上げられ、大きな話題となった。

 芸術祭は、池上に大きな経済効果ももたらす。毎年芸術祭の前後になると、同地の常住人口の10倍に上る約5万人の観光客が訪れる。観光客はホテルのほか約60の民宿に宿泊し、夜になると池上駅周辺の飲食街が都会並みににぎわう。池上郷文化芸術協会の梁正賢理事長は「収穫芸術祭は地域創生の成功例だ」と胸を張る。

 祭りの観光客の約4割が海外から来ている。今年は中国が台湾への観光客を大幅に制限していることもあり、例年ほど混雑しない可能性もある。主催する台湾好基金会の関係者は「日本人観光客は台北、高雄などの都市を訪れることが多いが、是非台東にも足を延ばし、台湾農村部のぬくもりを感じてもらいたい」と話している。(矢板明夫)

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