海外情勢

香港政府が「逃亡犯条例」を正式撤回 抗議活動は継続見通し

 【香港=三塚聖平】香港の立法会(議会)で23日、治安トップの李家超保安局長が、中国本土への容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」改正案の正式撤回を宣言した。香港では同改正案を発端とした政府に対するデモ隊による抗議活動が4カ月以上続くが現在、デモ隊側は普通選挙導入など「5大要求」を掲げて改正案自体は重視しておらず、正式撤回の宣言も抗議活動には大きな影響は与えないとみられる。

 逃亡犯条例改正案について、政府は9月4日に撤回を表明。それを受けた正式撤回の宣言は当初、今月16日に立法会で行われる予定だったが、民主派議員が林鄭月娥(りんていげつが)行政長官の辞任を求めるなど抗議の声を上げたため休会となり、延期されていた。

 一方、立法会ではデモ参加者にマスクの着用を禁じた「覆面禁止法」の審議が22日から始まった。覆面禁止法は、1997年の香港返還後初めて発動された「緊急状況規則条例」(緊急法)に基づいて立法会の手続きを経ず制定されたが事後的に審議する。

 香港メディアによると、22日に行われた立法会に設けられた専門委員会での審議では、香港政府側が覆面禁止法について「臨時の措置」を強調した上で「仮に状況がある程度落ち着けば撤廃する」との考えを示した。デモ隊側は覆面禁止法にも不満が強く、立法会が事後承認すれば抗議活動が激化する可能性もある。

 逃亡犯条例改正案は、香港が犯罪人引き渡し協定を締結していない国・地域の要請に基づいて、容疑者引き渡しを可能とするため、香港政府が4月に立法会に提出していた。

 逃亡犯条例改正の動きは、昨年2月に香港人の男が台湾で恋人を殺害し、逮捕される前に香港に戻るという事件が発生したのが発端となった。香港政府は犯罪人引き渡し協定がない台湾への身柄移送ができないことを理由に、このような事態を解消するため条例改正が必要だと主張。だが、反対派は中国政府に批判的な活動家らが条例改正により本土に引き渡される恐れがあるとして反対、抗議活動が次第に激化していった。

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