海外情勢

蔡氏、反中機運高まり優勢 台湾総統選まで3カ月

 来年1月の台湾総統選まで約3カ月。台湾独立志向の民主進歩党(民進党)の蔡英文総統が「反中」意識の高まりに後押しされ、親中路線の最大野党、国民党の韓国瑜・高雄市長との争いを優位に進めている。民進党は同時に実施される立法委員(国会議員)選でも過半数維持を狙う。

 「全体主義VS民主」。民進党は9日、若手の立法委員候補によるグループ立ち上げを発表した。羅文嘉秘書長は香港問題に言及して「明確に民主・人権側に立つ候補だ」とエールを送り、対中政策を選挙戦の主要論点とする方針を明確にした。

 台湾紙、蘋果日報の最新の世論調査によると、蔡氏の支持率は41.1%で韓氏に13.4ポイントの大差を付けた。蔡氏は中国の習近平国家主席が1月に打ち出した「一国二制度」による台湾統一に激しく反発。香港問題によって「同制度の失敗」が裏付けられたと繰り返し訴えてきた。また、党内予備選を戦って確執が取り沙汰された頼清徳前行政院長(首相)との関係修復も進んでいるもようで、挙党態勢を構築しつつある。

 韓氏は庶民派を前面に打ち出して熱烈なファンを獲得、7月頃までは優勢だった。だが、相次ぐ失言や執政能力に対する疑問の声が高まり失速。エリート主流の国民党幹部らとのぎくしゃく感は濃く、予備選で敗北した後、同党を離党した鴻海(ホンハイ)精密工業の前会長、郭台銘氏の支持層取り込みにも苦労している。

 習指導部は8月には中国から台湾への個人旅行を禁じて経済を締め付けたほか、台湾から南太平洋のソロモン諸島、キリバスとの外交関係を奪い、国際社会で台湾の孤立化を図るなど、蔡氏への圧力を強めている。

 立法委員(定数113)の現有勢力は民進党が68、国民党が35だが、支持率では国民党がリード。羅氏は「台湾の民主を守るには、蔡氏の再選とともに民進党が立法院で過半数を占めなければならないと訴えていく」と力を込めた。(台北 共同)

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