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台風19号、激甚災害に指定 「非常災害」も 道路復旧、国が代行

 政府は29日の閣議で、広い範囲で大きな被害を出した台風19号を激甚災害に指定することを決定した。自治体の復旧事業に対する国庫補助率を1~2割程度引き上げる。大規模災害復興法に基づく「非常災害」にも指定し、長野県などで自治体管理道路の復旧を国が代行する。同法適用は2016年の熊本地震以来2件目。被災地の早期復旧・復興に向け、財政、人員両面で自治体を支援する。

 武田良太防災担当相は会見で復旧工事代行について「スピード感を持ち、技術的な意味でもしっかりした対応ができる」と説明。激甚災害指定に関連し、台風21号と低気圧の影響による福島、千葉両県などの記録的豪雨も「(台風19号と)一連の災害と考えている」として指定を目指す方針を明らかにした。

 台風19号の激甚災害指定により、道路や河川、下水道、公立学校、農地・農業用施設、林道などの復旧事業に対する補助率をかさ上げする。過去5年の指定例の平均では、公共土木施設は70%から83%に引き上げられた。地域は限定しない。

 公民館や図書館、私立学校、事業協同組合などの施設復旧も支援。被災中小企業に対し、事業再建資金を借り入れる際の優遇措置も実施する。

 激甚災害について政府は本年度、6~7月の梅雨前線や台風による農業被害、千葉県を襲った台風15号を含む8~9月の大雨を指定済み。

 大規模災害復興法に基づく非常災害指定により復旧を代行する道路は、千曲川の増水で海野宿橋が崩落した長野県東御市の市道のほか、宮城県丸森町、福島県いわき市、群馬県嬬恋村、相模原市、長野県南箕輪村の国道の計6カ所。被害規模が大きく高度な技術も求められるためで、自治体の要請を受け国主導で復旧を加速させる。

 台風19号をめぐって政府は既に、各種許認可の有効期間延長など被災者に行政上の特例を認める「特定非常災害」に指定している。

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