経済インサイド

日米貿易協定に日本は負けたのか 真価問われる茂木外相 (2/2ページ)

 交渉担当者によると、今回、除外となった水産物に関しても、米国側は強く解放を要求した。「フィレオフィッシュの原料となるマダラの関税をなくしてほしい」などと迫ったが、日本側はバランスを重視し、かたくなに要求を拒んだ。バター、脱脂粉乳もTPP以上の無関税枠を作ってほしいとの要求もあったが、日本側は「TPP以上の水準があれば、国会で承認されない」などと拒否。結局、農林水産物のうち最終的に関税を撤廃する品目の割合はTPPの82%に対し、日米協定は37%にとどめた。 米国側は、欧州連合(EU)、中国との貿易交渉が不調で、日本との交渉を是が非でも成功させたかったようだ。農家に協定締結をアピールしたいトランプ氏にとっては、締結できたことに意味があり、中身についてはそれほど重要視していなかった。

 米国が最も重要視していた牛肉の関税をTPP水準まで引き下げることで米国に花を持たせ、日本側はしっかり周りを固めた、という捉え方もできる。

 9月23日夜(日本時間24日午前)に開かれた日米貿易交渉の閣僚級協議。最終合意した際、茂木敏充外務相は、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表らに、日本で買えば3万円以上するカリフォルニア産の赤ワイン「ルビコン」を振る舞った。

 ライトハイザー氏は「敬愛する外相」と茂木氏の手にキスしたうえ、全員に握手を求めるなど上機嫌で、茂木氏もライトハイザー氏から、「将来、首相になったときに貿易の仕事したこともあった、などと紹介される日がくる」などと言われ、まんざらでもなかった様子。両者とも交渉内容に満足していたとされる。

 与党は11月上旬に衆院を通過させ、米側が求める来年1月の発効を確実なものにしたい方針で、与野党の攻防が繰り広げられる。(飯田耕司)

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