国内

放射線影響「十分に小さい」 経産省、原発処理水1年間全量放出で

 東京電力福島第1原発で増え続ける処理水の扱いを検討する政府小委員会が18日開かれ、経済産業省は、現在保管中の水に含まれるトリチウムなどの放射性物質を1年間で海洋や大気に全量放出した場合、一般の人の年間被曝(ひばく)線量に比べ約1600分の1~約4万分の1にとどまるとして「影響は十分に小さい」との評価結果を示した。

 経産省によると、放出地点近くでの年間線量を国連科学委員会のモデルに基づき推計。砂浜からの外部被曝や魚などの摂取による内部被曝を想定した海洋放出は約0.052~0.62マイクロシーベルト、吸入による内部被曝などを想定した大気放出は約1.3マイクロシーベルトとした。

 通常の生活で自然に被曝する線量は、年間2100マイクロシーベルトとされる。

 委員からは「海流の速さや気象など環境条件についても詳しく示すべきだ」「魚や海藻の年間摂取量に応じた内部被曝量など、具体例がないと分かりにくい」といった意見が出た。

 会合では、これまでの小委の議論のまとめと残された論点を整理した資料も示され、処理水の処分時期などをめぐる議論を継続するとした。

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