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日米貿易協定案が衆院を通過 来年1月の発効へきょうから参院で審議、焦点は

 日米貿易協定の承認案が19日、衆院本会議で与党などの賛成多数により可決された。参院は20日に本会議で審議入りし、今後は参院外交防衛委員会が論戦の主要な舞台となる。与党は来月9日の臨時国会会期末までの承認を目指す。野党は自動車関税の交渉内容が不平等だと批判。米国産トウモロコシ購入の経緯を追及し、拙速な承認を阻止する構えだ。今国会で承認されれば来年1月1日に発効する。

 発効後は、米国から輸入される牛肉や豚肉、小麦、乳製品の一部などにかかる関税が、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に加盟するオーストラリアなどと同じ水準まで一気に引き下がる。

 米国を含むTPPでは農産物の市場開放と引き換えに日本が米国に輸出する自動車と関連部品の関税が撤廃となったが、日米貿易協定は「自動車と関連部品の関税撤廃についてさらに交渉する」と記載するにとどまり、日本にとっては大幅に後退した内容となる。

 野党は自動車に対する関税撤廃が約束されていないことに関し、日本側の一方的な譲歩だと批判。自動車追加関税をめぐる日米首脳の協議内容を公表するよう求め、政府が経済効果試算に米側が約束していない自動車関税撤廃を盛り込んだことを批判している。

 自動車関連は対米輸出額の35%超を占めており、関税撤廃率90%を目安とする世界貿易機関(WTO)のルールにも違反すると訴えている。

 政府は、エアコン部品や工作機械など日本企業の輸出が多い品目で関税削減や撤廃が実現すると説明。TPPで設けた米国産コメへの無関税枠を今回見送ったことを念頭に「バランスの取れた協定内容だ」(茂木敏充外相)と意義を強調している。

【用語解説】日米貿易協定

 日米両国が署名した農産物や工業製品の関税分野に絞った貿易協定。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を離脱したトランプ米政権が対日貿易赤字を問題視し、農産物輸出の増加を図ろうと日本に締結を求めた。日本は約72億ドル(約7800億円)分の米国産農産物への関税を撤廃または削減し、市場を開放する。交渉は米国を含むTPPが土台となったが、日本が輸出する自動車と関連部品は関税撤廃の対象ではなくなった。日米両国はデジタル貿易分野の協定にも署名した。

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