国内

10月の韓国訪日客65.5%減、20万人割れ 他国からは好調維持

 観光庁が20日発表した10月の訪日客数の推計調査によると、日韓関係の悪化で減少が続く韓国人客は19万7300人で前年同月比65.5%減と下げ幅がさらに拡大した。国・地域別で4位の香港の18万600人に近い水準まで落ち込んだ。訪日客数全体も5.5%減の249万6600人と韓国客の減少が影響した。政府は来年4000万人の訪日客数の目標を掲げ、韓国以外からの集客にも力を入れるが、目標達成が危ぶまれる。

 韓国からの訪日客が20万人を割り込んだのは、セウォル号沈没で渡航の自粛ムードが韓国に広がった2015年5月以来4年5カ月ぶり。下げ幅も東日本大震災直後の11年4月以来の水準だった。記者会見した田端浩観光庁長官は「航空路線の減便や韓国から各国への旅行者数の鈍化が続いている」と指摘。「人的交流は相互理解の基盤なので会員制交流サイト(SNS)への情報発信や韓国旅行会社との連携などプロモーション強化を進める」と述べた。

 一方、中国や東南アジア、欧米豪からの訪日客数はともに10月として過去最高を記録するなど韓国以外は好調を維持したため、1~10月の累計では前年同期比3.1%増だった。田端氏は「日本の魅力を発信して多くの国々から訪日してもらいたい」と述べたが、このままの増加ペースでは来年4000万人の目標達成は厳しい状況だ。

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