国内

住宅ローン「フラット35S」、支援見直しへ 政府検討、環境基準を厳格化

 政府が2020年度から、省エネ性などに優れた新築住宅向けの金利を国の支援で優遇する長期固定金利の住宅ローン「フラット35S」について、環境に関する基準を厳しくする方向で検討していることが21日、分かった。同時に、中古住宅向けローンの要件は緩和する方向で見直す。より環境性能に優れた住宅を増やすとともに、少子高齢化で深刻化する空き家問題の解決に向け、中古住宅の活用を促したい考えだ。

 「フラット35S」は住宅金融支援機構が銀行などと連携して提供している住宅ローン。省エネ性などに関わる6つの基準の1つ以上を満たせば、金利が通常ローンの「フラット35」の水準から年0.25%優遇される。

 環境基準を厳しくするのは金利優遇期間が当初5年間の「金利Bプラン」。20年度から6つの基準のうち「断熱などの性能」と「1次エネルギー消費量」については、両方で一定以上の水準を満たさなければ金利優遇を受けられなくする。

 厳格化する時期は今後検討を進める。ただ、今年10月に消費税率を10%へ引き上げたばかりのため、新築住宅の購入や景気全体への悪影響につながらないよう、20年度初めからの適用は避けたい考えだ。

 フラット35Sの金利優遇には国から補助金が出ており、19年度当初予算には約270億円が計上された。20年度当初予算にも必要額を盛り込み、引き下げ幅は年0.25%で維持する。

 同時に政府は、中古向けの基準を緩和し、活用を後押しする。対象になるとみられるのは、住宅の省エネ性能などを上げるリノベーション(大規模改修)のためのローンで金利を一定期間、年0.5%引き下げる「フラット35リノベ」。当初5年間優遇するプランで1次エネルギーの消費量に関する環境基準などを緩和するとみられる。

 日本では地方を中心に人口減少が進み、空き家が増えている。総務省の昨年10月時点の住宅・土地統計調査によると、国内の住宅総数6240万7000戸のうち空き家は848万9000戸。空き家が占める比率(空き家率)は13.6%と、いずれも過去最高を記録した。

 空き家が増えれば犯罪の温床になり、地域の不動産相場の下落につながるなどのリスクが高まる。政府は中古住宅の活用が必要と考えており、25年には、中古住宅流通とリフォームの市場規模を計20兆円と、13年比で倍増させる方針を掲げている。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus