ECBが買い取れる国債は各国の発行額の33%が上限で、ECBへの各国の出資比率に応じるなど制限もあるため、購入可能な国債は枯渇してきたとされる。購入枠を増やすためには制限の緩和が必要だが、その場合、ユーロ圏諸国の財政救済を禁じた規定に抵触しかねないという問題が生じる。
今後、欧州経済へのリスクが深刻化すれば、ドイツは、制限の緩和を容認するか、それとも財政出動を受け入れるかという「困難な選択を迫られる」(クラウス氏)。
ラガルド氏はドラギ氏が敷いた金融緩和路線を継承するとみられるが、同氏への反感まで引き継いだわけではない。時期尚早とも批判された9月の金融緩和は、ドラギ氏があえて“憎まれ役”を買うことで、後任のための環境を整えた-とも解釈できそうだ。
ラガルド氏はエコノミスト出身でないが、フランス財務相やIMF専務理事としてみせてきた調整力やコミュニケーション能力が高く評価されている。ベルリンのドイツ経済研究所(DIW)のフラツシャー所長は「ECBの政策が利益になっていると、ドイツの一般市民にも伝えてほしい」とラガルド氏への期待を独メディアに語っている。