国内

ASF、予防的殺処分へ法改正 未感染の養豚場でも

 農林水産省は、アジア各国で猛威を振るう家畜伝染病「アフリカ豚コレラ(ASF)」が国内の養豚場で発生した場合、発生地に近い、未感染の養豚場の豚でも予防的に殺処分できるよう法改正する。26日、江藤拓農林水産相が閣議後の会見で明らかにした。

 ASFは国内で相次ぐ「豚コレラ(CSF)」よりも感染力が強く、有効なワクチンや治療法がないためで、殺処分で蔓延(まんえん)を防ぐ。江藤氏は会見で、「(国内にASFが)入った段階で、もう最終ステージだと自覚を持つ必要がある」などと述べた。

 予防的殺処分は平成22年に宮崎県で牛や豚の家畜伝染病「口蹄(こうてい)疫」が流行した際に行われ、その後、家畜伝染病予防法を改正した経緯がある。農水省はASFも対象とする改正案を来年の通常国会に提出し、感染時の迅速な対応を図る。

 予防的殺処分を実施するのは、ASFが確認された施設から半径数キロ圏内の養豚場となる見込みで、専門家の意見を聞きながら判断する。発生した韓国では、半径3キロ以内に定めて実施した。

 日本では今年1月、中部空港に中国からの渡航者が持ち込んだ豚のソーセージからウイルスがみつかっている。農水省は、日本上陸を防ぐため、空港などで税関に提出する「携帯品・別送品申告書」を刷新し、生きた動植物、肉製品(ソーセージ・ジャーキー類を含む)の持ち込みが制限されていることを前面に掲載するなどして周知徹底を図るとしている。

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