今こそ独立を-。パプアニューギニア・ブーゲンビル自治州で始まった、独立か自治拡大かを問う住民投票。独立を支持する人が圧倒的に多いとみられ、長くこの機会を待ちわびた人々は「州が国家になる」という期待を胸に投票所に列を作った。
ブカ島中心部の投票所には、朝から州旗を掲げ、楽器を鳴らして投票を記念する歌を歌いながら多くの有権者が訪れた。最初に投票したモミス自治州大統領は投票実施にこぎ着けたことに安堵(あんど)の表情を浮かべた。
ブーゲンビルでは1988年、パングナ鉱山で採れる銅の収益をめぐる住民の抗議活動が独立運動に発展。独立派の「ブーゲンビル革命軍」(BRA)と政府軍による内戦が98年まで続いた。
80代のバルナバス・ロバート・ニリコスさんは元BRA兵士。「今日を迎えられてとても誇らしい」と笑顔を見せた。投票所周辺には内戦の死者が埋葬されている。ニコリスさんは「多くの友人や知人が政府軍に殺された。だから今こそ独立を」とつぶやき、「私たちはパプアの一部ではない。パプア政府の世話にならず、鉱物資源を武器に独立国家としてやっていける」と話した。
投票には若者の姿も。20代の学生、ベアトリス・プレフイさんは「独立が望ましい。きちんとした高等教育が受けられる場が増えて、若者が仕事に就ける未来になれば」と期待した。(ブカ 共同)
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【用語解説】ブーゲンビル自治州
パプアニューギニア東部のブーゲンビル島、ブカ島、周辺の小島や環礁から成る。陸地面積は約9400平方キロ。人口は推定約30万人で、パプア全体の3.5%程度。パプアからの独立を目指すブーゲンビル革命軍(BRA)とパプア政府軍による内戦を経て、2005年に自治政府が発足した。太平洋戦争中の1942年には、旧日本軍がブーゲンビル島を占領。43年4月には、航空機で最前線視察に向かう途中の山本五十六連合艦隊司令長官が同島上空で米軍機に撃墜され戦死した。(ブカ 共同)