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工業所有権情報・研修館 地域ブランドカード第2弾制作へ

 “地域ブランドカード”が登場し、人気を集めている。制作したのは、全国47都道府県で知財総合支援窓口を運営する工業所有権情報・研修館(INPIT)だ。

 試行的に、特許庁の地域団体商標(地団)に登録された愛知県の産品から5種5団体を選び、各1500枚制作。9月下旬から知財イベントや各地域団体を通じて配布を開始したところ好評で、このほど各3000枚を増刷した。

 カードは表面に商品・サービスの画像を、裏面にその特徴として、地団登録番号、商品・役務区分や来歴などの説明を分かりやすく記載している。INPITでは地域の中堅・中小企業に対し、特許や商標をはじめとする権利の獲得や事業での活用、営業秘密の防衛、海外展開について支援を行っているが、地域ブランドカードは新たな切り口の支援として注目される。

 好感触にINPITでは第2弾の制作を決めた。海外展開を戦略的に行う地団7種6団体のカードを各3000枚制作。東京で来年1月28日に開催するグローバル知財戦略フォーラムで限定配布する。

 「世界中に日本の観光・物産をPRできるといい。当館には海外知的財産プロデューサーなどの専門家もおり、連携する日本貿易振興機構へ橋渡しもできる」と語るのは、榎本吉孝審議役・知財活用支援センター長。

 これまで配布されたカードは、大門のしめ縄、豊川いなり寿司、常滑焼、有松鳴海絞、西尾の抹茶(いずれも愛知県)。1月に配布されるのは、東川米、大雪旭岳源水、北海道味噌(いずれも北海道)、桐生織(群馬県)、高島ちぢみ(滋賀県)、石州瓦(島根県)、奄美黒糖焼酎(鹿児島県)だ。カードは収集の対象ともなる。同館は今後もカードの制作を継続する考えだ。

 地団制度は地域名と商品・サービス名からなる商標登録を地域団体に認める制度のこと。現在の登録は671件。当初は伝統的産品が多かったが、近年は地方振興で新しく開発された案件が増えている。「5、6年の歴史でも、地域での周知性や審査基準を満たせば登録可能なのが利点だ」と高橋直彦・特許庁地域ブランド推進室長は言う。

 地団普及のため、特許庁は一昨年から、地域ブランド総選挙を始めている。各地団を地元の大学生が取材しSNS(会員制交流サイト)で発信するのに加え、各地団とチームになり新たなビジネスアイデアを考えることを通じ、地域ブランドの形成プロセスや活用方法を学ぶ取り組みだ。今年は東北地域で展開中で、12月20日に仙台市で最優秀チームを決める決勝戦を行う。(知財情報&戦略システム 中岡浩)

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