時代の節目に

論争呼ぶ原発処理水の行方 所狭しと並ぶタンク、廃炉作業の障壁に (1/2ページ)

 「海洋放出するしかない」-。東京電力福島第1原子力発電所で、微弱な放射性物質トリチウムを含む「処理水」をめぐり、9月に原田義昭環境相(当時)の問題提起が論争を呼んだ。小泉進次郎環境相は原田氏の発言を謝罪したが、処理水は最終処分方法が決まらないまま増え続け、貯蔵タンクが原発の敷地を占領している。

 今月、日本記者クラブの取材団に参加し、福島第1原発の構内に入った。海抜35メートルの高台エリアに、高さは10メートルほどの円筒形の処理水タンクが並んでいた。990基(117万トン分)ある。タンクの間隔は2メートルないくらいで、「所狭し」といった印象だ。

 構内の建物の9階から見渡すと、タンクが敷地を埋め尽くしている様子がよく分かる。原田氏から「現地を見れば『これは何とかしないといけない』と思うはずだ」と聞いていたが、その通りだった。

 現在進めている廃炉作業の本丸は、1~3号機の原子炉内に残る燃料デブリ(事故で溶けた核燃料)やがれきを撤去することだ。

 「地域に戻られる方々の生活に心配をおかけしないように、難しいといわれているデブリの取り出しもしっかり行う。このスタンスは変えていません」

 東京電力廃炉コミュニケーションセンターの木元崇宏副所長はこう語る。今後、燃料デブリやがれきを一時保管するスペースが必要になる。高台エリアを埋め尽くす処理水タンクが、廃炉実現の障壁になることは明白だ。

 「廃炉に向けた作業スペースを(大津波に襲われた場合のリスクが低い)高台に確保したいが、この状況では難しいですね」

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