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日銀逃げ切り、緩和策温存に成功 FRB利下げ休止で楽観ムード

 日本銀行は追加金融緩和のカードを切ることなく、1年を乗り切った。ここに来て、海外から届いた“プレゼント”にも助けられた格好だ。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ休止に続き、米中貿易交渉が部分合意に達し、金融市場にも楽観ムードが漂う。いつでも追加緩和に踏み切る様子を見せながらも耐えてきた結果が報われた。

 今年の世界経済は米中対立に振り回され続けてきた。投資家がリスク回避に動き、外国為替市場では円高が進行し、超長期金利もマイナス圏に沈んだ。

 FRBは「予防的利下げ」に踏み切り、欧州中央銀行(ECB)も3年半ぶりに金融緩和に転じるなど、世界的に金融緩和の動きが強まった。

 日銀にも、民間銀行の資金を預かる際に年0.1%の手数料を取る「マイナス金利」政策の拡大観測が出た。だが、日銀は政策金利の指針「フォワードガイダンス」を見直すなど、緩和方向のスタンスを強めることでカードは温存した。

 大和証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは「マイナス金利深掘りの副作用を考えると、“日銀文学”を駆使し、追加緩和に踏み切らなかった点は評価したい」と話す。

 今月に入って世界経済をめぐる情勢は急速に変化してきた。FRBの利下げ休止によって、米国経済の強さが確認でき、日米金利差が再び開くとの観測から円高も修正された。米中は歩み寄りを見せ、英国の欧州連合(EU)からの合意なき離脱も回避される方向になった。

 だが、黒田東彦総裁は19日の会見で、最後まで慎重な言い回しを続けた。海外のリスク要因についても「引き続き不確実性は高い」と何度も強調した。

 岩下氏は「FRBの利下げ休止期間は日銀に時間的余裕が生まれる」と指摘する。日銀は来年も緩和方向の構えを取りながら、次の一手を探り続けることになりそうだ。(米沢文)

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