大学発 日本 人と技術

日本を支える研究活動と技術開発

 世界初 水を利用した光変調器

 ≪東京理科大学≫

 理学部第一部物理学科の徳永英司教授らの研究グループは、ナノメートルオーダーの厚さの水の界面上で発生するポッケルス効果から、巨大な光変調信号を取り出す方法を発見した。

 ポッケルス効果とは、物質に対して外部から電圧が加わった際に電圧に比例して物質の屈折率が変化する現象。多くの光変調器では活性材料としてポッケルス係数の大きいニオブ酸リチウムが使用されているが、コスト高が課題となっていた。今回の研究では市販のガラス基板上酸化物透明電極を電解質水溶液に浸して、白色光を電極と水の界面で全反射するように入射。対極との間に数ボルトの電圧を加えたところ、特定波長でおよそ50%もの光強度の変調が観測された。この光変調器は水と透明電極薄膜の間のナノメートルオーダーの界面を利用するため、従来品と比べサイズがコンパクトであり、製造コストも安価になる。この研究の成果は、光通信や指向性ディスプレー、界面センサーなどさまざまな面への展開が可能と考えられ、また物理学、化学、生物学にまたがる広範な研究分野での応用が期待される。

 学生が「防災ポーチづくり」イベント

 ≪工学院大学≫

 体験型学園総合防災訓練の一環として、学生企画・運営による「防災ポーチづくり」を実施した。歯磨きシートや携帯トイレ、防寒アルミシートなど災害が起きたときに役立つ10品目以上のグッズを、参加者が専用のポーチに詰めていく企画で、完成品は持ち帰ることができる。

 イベントは盛況で、八王子キャンパスでは用意した500個のポーチがほぼすべてなくなり、参加者の多くが、「これはいざというときに使えそう」「どこに置いておけば役立つかな」などと話しながらグッズをポーチに詰めていた。災害に備えるとともに被災時に必要なモノや対応を改めて考える良い機会になった。

                  

 伸縮性小型ポンプでソフトロボット進化へ

 ≪芝浦工業大学≫

 電気通信大学、スイス連邦工科大学ローザンヌ校との共同研究グループが、電気で駆動する伸縮性小型ポンプを開発した。柔軟、軽量(1グラム程度)、無音の画期的なポンプで、大型ポンプにつながれない自律したソフトロボットや軽量なパワードスーツ、スマート衣類など人間の生活に適応するロボットの実現に向けて大きな役割が期待される。

 開発したポンプは全体がシリコーンエラストマーなどの柔らかい材料で構成され、内部に直径1ミリの流路と電極の列を持つ。流路は誘電性液体で満たされており、これに電圧が加えられると、電子が電極から飛び出し誘電液体を構成する分子に電荷を与え、帯電した分子は他の電極に引き付けられ、流路内の他の液体を動かす仕組み。これにより、電気で駆動する柔らかいポンプが実現した。

                  

 自動運転バスを公道実証運行に提供

 ≪埼玉工業大学≫

 兵庫県播磨科学公園都市での自動運転公道実証運行に協力した。同公園都市の公道往復約6キロ間を法定速度(最高時速50キロ)で走行する自動運転バスの実証運行に開発中の自動運転バスを提供、オペレーターも派遣して技術サポートした。

 今回の公道走行では神姫バスおよびウエスト神姫のバスドライバーが担当し、そのドライバーの研修および本番のドライバーサポートも担当した。毎回13人が乗車して5日間で計500人以上の一般市民や理研の関係者が自動運転を体験試乗した。

                  

 2019Ene-1GP MOTEGIで総合3位入賞

 ≪大阪電気通信大学≫

 栃木県のツインリンクもてぎで開催された「2019 Ene-1GP MOTEGI」に、学生自らが設計・製作した充電式単三電池40本を動力源とした次世代エネルギーカーのオリジナル車両で参戦し、KV-40クラスで総合成績3位に入賞した。社会の第一線で活躍してきた企業熟練技術者が所属する「3D造形先端加工センター」で金属部品加工のアドバイスをもらいながら車両を完成。参加した学生は「初出場で、この3年間に培ってきた努力が結果につながりうれしい。これからも技術を磨き、仲間といっしょに次の目標に向かって前進していく」と話していた。

 無尾翼小型VTOL試作機を開発

 ≪金沢工業大学≫

 工学部航空システム工学科の赤坂剛史研究室と情報工学科の中沢実研究室は、金沢エンジニアリングシステムズ、一般社団法人・組込みシステム技術協会(JASA)と共同で、固定翼を持つ無尾翼小型VTOL(垂直離着陸機)の試作機を開発した。離島や山間部での薬などの小口輸送を想定したもので、トラブル時には安全に着陸できる適応制御も実装している。

 昨年7月、ドローンを使った小口輸送の研究に取り組むJASAが金沢工業大学でドローン自作講習会を開いたのをきっかけに、共同研究が本格的にスタート。研究チームでは、離島・山間部の小口輸送を念頭に、500グラムの荷物を3キロ先に運べる仕様とし、最終的には白山麓における薬輸送での活用を目指している。製作レシピは最終的にはオープンソースとして公開し、国産ドローン産業の育成に寄与する考え。

 公開シンポでSociety5.0を考える

 ≪広島工業大学≫

 「Society5.0時代の波に乗ろう」と題した公開シンポジウムを平和記念公園内の広島国際会議場(広島市中区)で開き、参加した約200人が超スマート社会(Society5.0)に向けた技術革新や取り組み事例などを聴いた。

 シンポジウムでは、内閣府の永井岳彦参事官ら4氏が講演し、人工知能(AI)技術や量子技術など強化が必要な基幹分野を軸にした国の戦略などを紹介。AI研究の延長線上にある社会の可能性など具体的な事例を交えた話に、近未来社会のイメージを膨らませた。

 続くパネルディスカッションでは広島工業大の林孝典教授をコーディネーターに、4氏は失敗や不完全な技術を許容できない日本の特性がデジタルの浸透を他国より遅らせているなどと指摘した。

 精密な放電シミュレーション技術を開発

 ≪東京都市大学≫

 工学部電気電子通信工学科の岩尾徹教授は、鉄道車両のパンタグラフなどが離線することに伴う「アーク放電」の現象を解明、これらを防ぐための精密な3次元シミュレーション技術を開発した。

 「アーク」は温度が5000℃以上で強い光を発する特徴があり、「離線アーク放電」に伴う架線トラブルは復旧に長時間を要する。今回開発した3次元シミュレーション技術では、分子、原子、イオン、電子のレベルで、同放電現象を精密かつ短時間にシミュレートすることができる。

 これにより、架線トラブルによる運転見合わせや事故の発生を低減できるほか、架線の溶損を抑えることでメンテナンスコストの低減をはかることが期待される。この研究成果は10月に米テキサス州で開かれた米国物理学会主催の「第72回気体電子工学年次会議(GEC)」で発表した。

【ガイド】

 工学院大学 E-mail:gakuen_koho@sc.kogakuin.ac.jp

 芝浦工業大学 E-mail:koho@ow.shibaura-it.ac.jp

 千葉工業大学 E-mail:cit@it-chiba.ac.jp

 東京電機大学 E-mail:keiei@jim.dendai.ac.jp

 東京理科大学 E-mail:koho@admin.tus.ac.jp

 東京都市大学 E-mail:toshidai-pr@tcu.ac.jp

 大阪工業大学 E-mail:kikakuka@ofc.oit.ac.jp

 大阪電気通信大学 E-mail:kouhou@mc2.osakac.ac.jp

 金沢工業大学 E-mail:koho@kanazawa-it.ac.jp

 豊田工業大学 E-mail:s-koho@toyota-ti.ac.jp

 広島工業大学 E-mail:kouhou@it-hiroshima.ac.jp

 愛知工業大学 E-mail:d-koho@aitech.ac.jp

 埼玉工業大学 E-mail:kikaku@sit.ac.jp

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