海外情勢

「パプアから独立」が98%に ブーゲンビル自治州の住民投票結果

 南太平洋にあるパプアニューギニア東部ブーゲンビル自治州の住民投票委員会は先ごろ、パプアからの独立か自治拡大かを問う住民投票の結果、独立支持が約98%で圧倒的多数を占めたと発表した。

 住民投票は独立闘争の和平協定に基づいて実施され、結果に法的拘束力はない。結果確定にはパプア政府との協議を経て同議会の承認が必要だが、パプア政府は鉱物資源に恵まれる同州の残留を望む。自治州のモミス大統領は独立が承認されるとしても最長で数年かかると予測。その間に住民の不満が高まり、紛争につながる可能性も指摘される。

 ブーゲンビルでは1988年、オーストラリア資本の鉱山会社の銅採掘に絡む住民の抗議が独立運動に発展。独立派の「ブーゲンビル革命軍」とパプア政府による98年までの内戦で約1万5000人が死亡した。2001年に自治政府樹立などを柱とする和平協定が結ばれ、20年6月までの住民投票実施が決まった。

 モミス氏は「ブーゲンビルの人たちは心理的に解放されたと感じている」と述べ、結果を歓迎する意向を示した。

 投票は11月23日から今月7日まで行われた。有権者は約20万6000人。独立支持は17万6928票、自治拡大支持は3043票だった。(シドニー 共同)

【用語解説】ブーゲンビル自治州

 パプアニューギニア東部のブーゲンビル島、ブカ島、周辺の小島や環礁から成る。陸地面積は約9400平方キロ。人口は推定約30万人で、パプア全体の3.5%程度。パプアからの独立を目指すブーゲンビル革命軍とパプア政府軍による内戦を経て2005年に自治政府が発足した。(シドニー 共同)

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