--不正な保険募集を組織として助長する要因はなかったか
植平氏「優績者(営業成績の良い職員)を表彰する制度はどの組織でもある。問題としても取り上げられているが、新規契約を優遇していた。評価の仕方を変えようとしており、表彰制度についてもメスをいれてきた」
横山氏「(募集)品質に重きを置いた制度に変えてきている。社員も自覚している。ご指摘の点が全くないかというと、全てが途上であった」
長門氏「ご指摘の点は原因の一つ。きちんと対応したい」
--不正な募集を許容していたのでは
植平氏「全くない。厳正にチェックできなかったのは反省している。(不正募集を)助長したとは思っていない」
--長門社長は自身の力が及ばず環境のせいでないと述べた
長門氏「制約や、しがらみのない経営はあり得ない。信託銀行や証券子会社、海外拠点もない中で戦う。いくつもの制約は無論、感じている。その中でどうやるのかが経営。そういう言い訳はしたくなかった」
--退任にあたり退職金はあるのか
長門氏「年俸制なので、ない」
--かんぽ生命保険には民間との公平な競争条件確保のため、加入できる保険金額に上限があるなど規制が課せられている
植平氏「社内ではタブーの領域なく、いろんな戦略論議を行う。どういう商品が市場では魅力的なのかは議論している。限度額が課せられていること、商品ラインアップが少ないこともあって、どんな領域の商品を、どういうマーケットで販売を進めていけばいいだろうと議論は常にしている。日本郵便の募集人の方々は優秀。商品を流し込んでいけばもっと売りやすい環境ができるという思いはあった。それで問題が解決するというわけではないとは理解している」
横山氏「制約にかかわらず、不利益を生じさせてはいけないのは当たり前だ。従来、かんぽ生命は貯蓄性商品が主流。お客さまへのご案内をする中で最近の低金利環境、経済環境の変化に伴う転換がうまく図れなかった」
--情報漏洩問題について。鈴木上級副社長への調査の打ち切りは考えられない
長門氏「鈴木上級副社長の問題は、相手の次官も退かれ、こちらも十分に問題を認識して辞めた」
--鈴木氏は保険不正販売をめぐるNHKの取材手法を「暴力団と一緒」と発言している。撤回しないのか
長門氏「鈴木上級副社長の発言なので私からは申し上げられない。暴力団という表現を使ったということは私は極めて不適切、言い過ぎだというのはある。気持ちを忖度(そんたく)できないでもないが、社会的にそういう発言したのは不適切」
--情報漏洩問題に絡み、総務省では事務次官が辞めている
長門氏「総務省は次官が辞め、私どもも鈴木上級副社長が辞めた。そういう意味ではイーブンだ」