海外情勢

20年の世界成長見通し下方修正 世銀「日本、五輪後は減速」

 世界銀行は8日発表した経済見通しで、2020年の世界全体の実質成長率を2.5%と予測し、19年6月時点から0.2ポイント下方修正した。米中貿易摩擦などが響き、先進国の貿易や製造業が想定以上に弱いと分析。日本の成長率は20年は0.7%、東京五輪後の21年は0.6%と前回予測を据え置いた。さらに22年は0.4%になると予測。減速傾向が続くとの見方を示した。

 米中間の部分合意で和らいだ世界的な貿易摩擦が「再び激化する可能性がある」と指摘。両国が合意した知的財産権保護の強化や技術移転強要の是正策を中国に実行させることは「難しいかもしれない」とし、米政権が強硬姿勢に転じかねないとの認識をにじませた。

 20年の世界貿易の伸び率は1.9%と、前回予測より1.3ポイント引き下げた。19年(1.4%)は上回る。

 日本は昨年10月に消費税率を引き上げたが、政府の経済対策で悪影響を緩和できると見込んだ。

 米国は大型減税の効果が薄らぐ一方、米連邦準備制度理事会(FRB)による昨年の3回の利下げが景気を下支えし、20年は1.8%と0.1ポイント引き上げた。

 中国は国内需要の冷え込みや貿易摩擦などで5.9%に下げた。6%を下回るのは1990年以来となる。ユーロ圏は1.0%と0.4ポイント下方修正した。(ワシントン 共同)

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