(国際社会の課題解決)
この7年間、80の国・地域を訪問し、800回を超える会談を重ねてまいりました。各国首脳との信頼関係の上に、国際社会が直面する共通課題の解決に向け、世界の中で、主導的な役割を果たしていく覚悟です。
中東地域における緊張の高まりを深く憂慮します。わが国は、全ての関係者に、対話による問題解決と自制的な対応を求めます。これまで培ってきた中東諸国との友好関係の上に、この地域の緊張緩和と情勢の安定化のために、これからも、日本ならではの平和外交を粘り強く展開いたします。エネルギー資源の多くをこの地域に依存するわが国として、こうした外交努力と併せて、自衛隊による情報収集態勢を整え、日本関係船舶の安全を確保します。
自由貿易の旗手として、21世紀の経済秩序を世界へと広げてまいります。EUから離脱する英国とも、速やかに通商交渉を開始します。TPPのさらなる拡大や、インドを含めた東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉を主導します。データ流通の新たな国際ルールづくりを、大阪トラックでリードしていきます。
20カ国・地域(G20)で合意したブルー・オーシャン・ビジョンには、既に59の国から賛同を得ています。この流れをさらに世界へと広げていくことで、2050年までの海洋プラスチックごみによる新たな汚染ゼロの実現を目指します。
わが国は、5年連続で温室効果ガスの削減を実現いたしました。2013年度比で11・8%の削減は、先進7カ国(G7)の中で英国に次ぐ削減量です。長期戦略に掲げた脱炭素社会を早期に達成するため、ゼロエミッション国際共同研究拠点を立ち上げます。米国、EUなどG20の研究機関の叡智(えいち)を結集し、産業革命以来増加を続けてきた二酸化炭素(CO2)を、減少へと転じさせる、「Beyondゼロ」を目指し、人工光合成をはじめ革新的イノベーションを牽引(けんいん)します。
世界の平和と安定、自由で公正で開かれた国際ルールの構築、気候変動をはじめとした地球環境問題への挑戦。より良き世界の実現に向かって、新しい時代の日本外交の地平を、皆さん、ともに、切り拓いていこうではありませんか。
七 おわりに
「人類は4年ごとに夢をみる」
1964年の記録映画は、この言葉で締めくくられています。新しい時代をどのような時代としていくのか。その夢の実現は、今を生きる私たちの行動にかかっています。
社会保障をはじめ、国のかたちに関わる大改革を進めていく。令和の新しい時代が始まり、オリンピック・パラリンピックを控え、未来への躍動感にあふれた今こそ、実行の時です。先送りでは、次の世代への責任を果たすことはできません。
国のかたちを語るもの。それは憲法です。未来に向かってどのような国を目指すのか。その案を示すのは、私たち国会議員の責任ではないでしょうか。新たな時代を迎えた今こそ、未来を見つめ、歴史的な使命を果たすため、憲法審査会の場で、ともに、その責任を果たしていこうではありませんか。
世界の真ん中で輝く日本、希望にあふれ誇りある日本を創り上げる。その大きな夢に向かって、この7年間、全力を尽くしてきました。夢を夢のままで終わらせてはならない。新しい時代の日本を創るため、今日、ここから、皆さん、ともに、スタートを切ろうではありませんか。
ご清聴ありがとうございました。=おわり