海外情勢

新型肺炎 北京でマスク売り切れ 厳戒の首都に緊張走る

 新型コロナウイルスによる肺炎が、中国湖北省武漢市から各地へと発症者を広げている。武漢から1千キロ超離れた北京市でも計10人の発症が確認され、ウイルス感染を防ぐためマスクを買い求める人の姿が目立った。多くの人が帰省のため移動する春節(旧正月)の大型連休(24~30日)を間近に控えた首都に、緊張が走っている。(北京 三塚聖平、写真も)

 「マスクはもう売り切れてるよ」

 22日朝、北京市中心部のコンビニエンスストアには、同じことを何度も聞かれてうんざりした店員の姿があった。店員は「ここ数日で一気に売れた」と話す。複数の商店を見て回っても、ウイルス対策に効果があるとうたうマスクはほぼ売り切れていた。

 在庫が残っているという薬局ではレジの前に行列ができていた。予防効果が高い高性能マスクを求める人が多く、インターネット通販では価格が大幅に引き上げられた悪質なケースも報じられている。

 武漢のみで発症者数と死者が増えていた先週までは、北京ではほとんどマスク姿を見かけなかった。しかし、20日に北京でも発症者が確認されて警戒感が一気に高まった。22日朝の出勤風景を見ると半分以上の人がマスクを着用しているようだった。

 市郊外から中心部にバスで通勤しているという女性は「今朝の車内では7割くらいの人がマスクをしていた。友人にもマスクをつけるように勧めている」と話す。

 今のところ目立った混乱は伝えられていないものの、コンビニではマスクをしていない店員に「こんな時にどうしてマスクをしていないのか」と詰め寄る客の姿もあった。2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の記憶も色濃く、神経質になっている様子もうかがわれる。

 24日からは春節の大型連休が始まり、地方出身者が集まる北京では多くの人が帰省する。公共交通機関の利用が増えるため感染リスクが高まるのは必至で、連休明けに北京で再び感染者が増える恐れも指摘されている。

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