数字から見えるちば

「しごと」は良好 「まち」「ひと」課題 地方版総合戦略の進捗状況 ちばぎん総研研究員・矢野泉 (2/2ページ)

 「結婚・出産」では、子育て世代の流入が続く常磐・TX沿線地域が全国を大きく上回った。「子育て」の評価は、待機児童数の減少度合いが影響しているとみられるが、成田空港周辺・印旛地域の評価が特に高くなった。

 「しごと」の進捗度はほぼ全地域で全国を上回った。「農林水産業」は、郡部を中心に全国を上回ったが、これは東京圏の人口増加から県産農産物の需要が高まっていることなどが背景にある。

 「観光」も全国を上回る地域が多かったが、成田空港周辺・印旛地域では、成田市へのインバウンド観光客の集中から全国を下回り、外国人客の周遊に課題を残した。「経済産業」では、人口増加が続く都市部を中心に全国を上回った。

 来年度には第2期総合戦略が始まるが、第1期の反省も踏まえて、以下の点に留意して策定を進め、県内各地域で地方創生が実を結ぶことを期待したい。(1)地域の強みのさらなるブラッシュアップおよび「選択と集中」の徹底(2)地域の持続可能性を高める交通インフラ整備の推進(3)広域連携による効果的なまちづくり(4)KPIの適切な設定とPDCAサイクルによる確実な検証および事業などの柔軟な見直し。

(寄稿)

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