海外情勢

インド高速鉄道の開業を5年延期 日本政府と協議、土地収用遅れ

 日本の新幹線方式を採用したインド初の高速鉄道計画をめぐり、日印両政府が2023年の開業予定を5年程度延期する方向で協議していることが分かった。日印の政府関係者が明らかにした。土地収用や工事が遅れているため。インフラ輸出で中国や欧州勢との競争が激化する中、早期に実績を上げたい日本にとって痛手となりそうだ。

 日印の政府関係者によると、18年に本格的な工事を始める予定だったが、20年に入っても高架やトンネルなど路線本体の工事に着手していない。建設予定地では、住民が土地収用の中止を求める訴訟を起こすなど反対運動が起きている。補償額や生活環境の変化に不安があるためで、用地取得は全体の約5割にとどまっている。

 両政府の実務レベル協議では、日本側が進捗(しんちょく)状況から試算して開業が5年ほど遅れるとの見方を示している。インド側はより早期の開業を希望しており、年内に予定される首脳会談までに結論を出す方針だ。開業の遅れで総事業費が膨らむことも予想される。

 高速鉄道建設を担うインドの高速鉄道公社などによると、計画は高架やトンネル建設、車両製造など約20分野に分かれている。西部グジャラート州バドダラで車両運行などの研修施設の建設が始まり、他の土木工事の一部も年内開始を目指す。(ニューデリー 共同)

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