【リヤド=林修太郎】20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が22、23日、サウジアラビアの首都リヤドで開かれる。新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が世界経済にもたらすリスクが主要議題で、主要国が本格的に討議する初めての場となる。ただ、発生源である中国の閣僚は欠席する見通しだ。
日本からは麻生太郎財務相と、日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁が出席する。麻生氏は21日の閣議後記者会見で、新型肺炎の感染拡大に対し「日本の対応はきちんとやっていると申し上げないといけない」と述べた。海外では日本の状況に懸念が強まっており、不安を払拭する狙いがあるとみられる。
中国・武漢で発生した新型肺炎は、中国本土の死者数が2000年代初頭に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の世界全体の死者数を超え、感染拡大に歯止めがかからない。
会議では、新型肺炎が貿易や観光、企業のサプライチェーン(供給網)など各分野で世界経済を悪化させるリスクだという見方を共有。23日に共同声明を採択して、各国が協調して取り組む姿勢を確認する見通しだ。
巨大IT企業などの課税逃れを防止する国際的な規制「デジタル課税」も議題で、経済協力開発機構(OECD)が1月末に大筋合意した骨格案を話し合う。中央銀行や民間企業が発行する「デジタル通貨」についても各国の取り組み状況や必要な規制を協議する。