国内

首相会見要旨 PCR検査に保険適用へ/3つの薬を投与開始

 安倍晋三首相は2月29日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大を受け首相官邸で記者会見した。

 新型コロナウイルスが世界全体に広がりつつある。現状では感染の拡大のスピードを抑制することは可能だ。今からの2週間程度、国内の感染拡大を防止するため、あらゆる手を尽くすべきだと判断した。集団感染をいかに防ぐかが極めて重要だ。多数が集まるようなスポーツ、文化イベントについては中止・延期・規模縮小を要請する。換気が悪く、密集した場所や不特定多数の人が接触する恐れが高い場所での活動も当面控えてほしい。事業者には、感染防止のための十分な措置を求めたい。

 【臨時休校】

 全国すべての小中高校、特別支援学校について3月2日から春休みに入るまで臨時休校を要請した。子供たちにとって3月は学年の最後。友達との思い出を作る時期に休みとする措置を講じるのは断腸の思いだ。卒業式については万全の対応の下、実施してほしい。

 ご家庭には大変な負担をおかけする。学童保育など各自治体のさまざまな取り組みを国として全力で支援する。保護者の休職に伴う所得の減少にも新しい助成金制度を創設し、正規・非正規を問わず手当てする。

 【緊急経済対策】

 2700億円を超える今年度予備費を活用し、第2弾の緊急対応策を今後10日程度のうちにまとめる。業種を限らず雇用調整助成金を活用し、特例的に1月に遡(さかのぼ)って支援する。強力な資金繰り支援をはじめ地域経済に与える影響にしっかりと対策を講じる。世界経済の動向も十分に注視しながら、必要かつ十分な経済財政政策を行う。

 【検査・医療】

 (ウイルスを高精度で検出する)PCR検査がしたくても保健所で断られ、やってもらえないとの指摘がある。来週中にPCR検査に医療保険を適用する。医師が必要と考える場合には、すべての患者がPCR検査を受けることができる十分な検査能力を確保する。全国で2千床超の感染症病床があるが、緊急時に感染症指定医療機関で5千床超の病床を確保する。

 今回のウイルスには現時点で有効性が確認された治療薬がない。日本では「アビガン」を含む3つの薬に観察研究としての患者への投与を開始した。治療薬の早期開発につなげる。

 【立法措置】

 あらゆる可能性を想定し、国民生活への影響を最小とするために立法措置を早急に進める。必要な措置は躊躇(ちゅうちょ)なく実施する。

 今回のウイルスは未知の部分があり、よく分からない敵との戦いは容易ではない。政府の力だけでこの戦いに勝利を収めることはできない。終息に向け国民の理解、協力が欠かせない。本当に大変なご苦労をおかけするが、必ず乗り越えられると確信する。

 【中国主席国賓来日】

 現時点では予定に変更はない。引き続き日中間で緊密に意思疎通していく。

 【東京五輪】

 開催に向け国際オリンピック委員会(IOC)や大会組織委員会、東京都との間で緊密に連携しながら、安全、安心できる大会となるよう万全の準備を整えていく。

 【マスクやトイレ紙】

 マスクは、3月は1月の生産量の2倍を超える月6億枚以上、供給を確保する。トイレットペーパーなどの不足が一部で起きているが、事実でない噂が飛び回っている。ほぼ全量が国内生産で、中国をはじめとしたサプライチェーンの問題は全く関係ない。十分な供給量、在庫が確保されている。冷静な購買活動をお願いしたい。

 【入国拒否の拡大】

 どこの地域を入国拒否の対象とするかは、感染者数や移動制限措置の動向を分析し、必要であれば躊躇なく講じていく。

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