そしてアップルウォッチが売れているもう一つの理由は、アンドロイド搭載スマートフォンと組み合わせて最適に機能するスマートウォッチが存在しないことではないだろうか。グーグルはアンドロイドOSを基盤としたスマートウォッチ向けのウェアOSを開発しているが、スマートフォン向けOSと比べると成功しているとは言い難い。スマートウォッチ市場においてアップルに次いで高いシェアを持つサムスンは、スマートウォッチにおいては独自のタイゼンOSを採用している。
ただし、グーグルは同市場3位のフィットビット買収を発表しており(2月末現在、規制当局の最終的な承認を待っている状態)、実現すれば状況が変化する可能性はある。
今後スマートウォッチはどのように進化していくのだろうか。確実に言えるのは、さらに多くの健康管理機能が搭載されるということだ。フィットビットは1月、ソフトウェア・アップデートによって、自社のスマートウォッチおよびフィットネストラッカーで、血液中の酸素飽和度を測定できるようにした。競合するアップルウォッチはまだ搭載していない機能だ。またアップルウォッチは近い将来、血糖値測定機能を搭載するとの噂も以前からく繰り返し浮上している。そのうちにカルテの管理や医療機関とのやり取りも行えるようになるかもしれない。
高齢社会となり、増え続ける医療費を抑制し、病気の発症を未然に防ぐ予防医療の観点からも、ユーザーが手元で簡単に自分の健康状態を管理できるスマートウォッチは、今後さらに普及していくだろう。(岡真由美/5時から作家塾(R))