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WIPO事務局長選で中国破れる 知財の国連機関、米が反対

 【ローザンヌ(スイス)=板東和正】世界知的所有権機関(WIPO)は4日、次期事務局長を決める選挙を行い、シンガポール特許庁長官のダレン・タン氏が、中国人女性の王彬穎WIPO事務次長を決選投票で破った。中国は15ある国連専門機関のうち、4機関のトップを手中にしており、WIPOで5つ目のポストを獲得しようとしていた。

 WIPOはスイスのジュネーヴに本部を置き、世界の知的財産権の保護を促進するためのルール作りなどを役割としている。タン氏は5月のWIPO総会で正式承認され、10月に就任する予定。任期は6年。

 事務局長選では、タン氏が決選投票で55対28と王氏に圧勝した。しかし、事務局長選が実施される前には王氏が有力候補と目されており、中国の知的財産侵害を問題視する米国が中国人が事務局長に就くのは適切ではないと反対していた。米外交誌フォーリン・ポリシー(電子版)は、中国が長期間にわたり、知的財産窃取などを行ってきたとして、「(中国人がWIPOのトップになることを)多くの貿易関係者が警戒している」と指摘していた。タン氏が王氏を大きく引き離して勝利したのは、米国などによる多数派工作があったためとみられている。

 中国は国連食糧農業機関(FAO)などすでに4つの国連専門機関にトップを送り込んでおり、欧米諸国は危機感を募らせていた。

 一方、今回の事務局長選では、日本も当初、候補者を立てていたが、日本の特許庁が2月に推薦を取り下げることを発表した。特許庁は取り下げた理由について「新興国出身者が次の事務局長に就くことが望ましいと判断した」としている。

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