高論卓説

新型コロナに翻弄される株式相場 先に待つのは二番底、三番底 (1/2ページ)

 世界の株式市場が新型コロナウイルスの感染に翻弄されている。米国のNYダウは先週末まで過去最大の下げ幅となった日を含めて7日続落した。週間の下落率は下値の一応のめどとされる10%を超える12%となった。と思ったら、週明けの2日には前週末比1293ドル高と過去最大の上げ幅で急反発した。(加藤隆一)

 日経平均も先週に週間で累計2243円下げた。週明け2日も安く始まったが、日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁の「潤沢な資金の供給で金融市場の安定確保に努める(趣旨)」との緊急談話をきっかけに反発に転じ、前週末比201円高で引けた。3日は早くも反落した。日米の株式相場は乱気流の中に突入、乱高下が収まりそうにない。

 NYダウが週明けに急反発したのは利下げ期待がにわかに高まったからだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は3日、緊急利下げに踏み切った。日銀は総裁の緊急談話を受けて即日、ETF(上場投資信託)を1002億円購入した。1日の購入規模は過去最多だった。日銀は先週も4日連続でETFを各日703億円購入した。しかし、日経平均の続落に歯止めはかからず、焼け石に水、2階から目薬でしかなかった。1日1002億円のETF購入は日銀にとって躊躇(ちゅうちょ)ない決断だったのだろう。

 日銀のETF保有残高は28兆8500億円余(2月20日現在、簿価)に膨らんだ。購入コストは日経平均換算で市場関係者の推計によると、1万9000円強(加重平均)という。日経平均が2万円を下回れば含み益は急減する。水準がさらに下がれば含み損を生じかねない。日銀のETF購入は日経平均の下値を支える自縄自縛の動きだったとも映る。

 政府、中央銀行による官製の相場テコ入れ策はカンフル剤だ。一時的な即効性こそあっても持続性はない。景気回復、企業業績の裏付け、機関投資家、個人・法人からの市場への長期投資資金の流入などがなければ継続的な相場上昇は望めない。

 新型コロナウイルス感染の経済的な影響が本格化するのはこれからだ。2月の百貨店売上高が前年同月比で各社軒並み2桁減となったのは悪影響の顕在化の走りに過ぎない。中国は世界のサプライチェーン(供給網)の重要拠点である。その機能の低下、不全は世界的な製造業の生産活動の停滞につながる。市場関係者らは中国発の金融システム不安発生への懸念を強めてもいる。3月決算期末に向けて企業業績見通しの下方修正、増配の見送り発表などが相次ぐことも予想される。

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