ニュースレビュー

Friday eye 3.6

 ●除染土の安全性、鉢植えで訴え

 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染で生じた土の再利用に向けて、小泉進次郎環境相は6日、省内の大臣室などに除染土を使った鉢植えの観葉植物を置くと発表した。国は放射性物質濃度が低い除染土を各地の公共事業などに使う方針で、安全性をアピールする狙い。しかし実証試験が計画されている県内では反対意見もある。

 小泉氏は閣議後の記者会見で鉢植えを示し「福島の復興は福島だけではなく日本全体の課題だ。風化と風評被害を食い止める決意の象徴が福島の鉢植えだ」と述べた。

 ●農産物輸出、25年に2兆円へ

 政府は6日、農林水産物・食品の輸出拡大について関係閣僚会議を開き、輸出額を2025年に2兆円まで伸ばす新たな目標を発表した。人口減で国内需要が縮小する中、輸出を増やして生産基盤を維持する狙い。ただ1兆円を目指した19年の輸出額は水産物の不漁などで9121億円にとどまっており、この日の会議では今後の達成時期の目標も明示しなかった。30年までの長期目標は、これまでの成長戦略で掲げた「5兆円」を踏襲した。一方、20年から通販などによる「少額貨物」や木製家具の輸出を集計対象に含めることも決めた。

 ●水素利用促進へ協議会設立

 トヨタ自動車や中部電力、東邦ガスなど10社は6日、水素のエネルギー利用の促進に向けて「中部圏水素利用協議会」を設立した。商社や銀行も参画しており、業界横断的に、サプライチェーン(部品の調達・供給網)の整備や、技術的な課題などを検討する。

 燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない水素は、地球温暖化の抑制に向けた次世代エネルギーとして期待され、政府も段階的に活用を進める方針を示している。協議会は政府とも連携し、2020年代半ばからの本格導入を目指す。

 ●旭化成、一部の樹脂事業から撤退

 旭化成は6日、樹脂事業の一部、3種類のスチレン系樹脂生産から撤退すると明らかにした。川崎製造所(川崎市)内の工場を来年3月末に停止し、従業員は他事業に再配置する予定。

 旭化成は撤退の理由について「世界の市場で当社製品の優位性を発揮することは容易ではなく、将来的な拡大戦略を描くことも難しい」と説明している。他の注力事業に資金を振り向ける。

 対象となる樹脂は1960年代から生産を続ける強度に優れたASとABS、95年に生産を始めた燃えにくい特性を持つACSの3種類。

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