中国農業農村省はこのほど、足元で起きている「スッポンは食べてよいのか、禁止なのか」との社会的論争に対して「水生野生動物保護」に関する通知を出し、スッポンやカメは水生動物管理に当たるとの見解を示した。
全国人民代表大会(全人代)の常務委員会は先ごろ、「違法な野生動物の取引を全面禁止とし、野生動物をむやみに食べる悪習を根絶し、人民の生命・健康の安全を保障することに関する決定」を発表し、野生動物の食用を禁止する制度を確立した。
同決定には、食用を禁止する具体的な野生動物の種類が挙げられていない。そうした中、広東省深セン市が発表した「深セン経済特区・野生動物の食用を全面的に禁止する条例(草案)」で人工飼育のカメやスッポンも禁止目録に入ったことから、世間や業界で論争が起きていた。
これに対して農業農村省はこのほど、水生野生動物保護管理の強化に関する通知を出し、「水生野生動物」の範囲を明確にした。それによると、「国家重点保護経済水生動植物資源目録」に分類されている種と農業農村省が公表した水産新品種は、「漁業法」などの法律・法規で厳格に管理される。スッポン、カメなど水生動物関連目録に盛り込まれている両生・爬虫(はちゅう)類は、水生動物管理に基づくものとなる。これは、スッポンは食用禁止目録に入らないことを意味している。
通知は、水生野生動物に関する行政許可審査を厳格なものとし、人工飼育などは法に基づき秩序ある発展をしなければならないとした。(中国新聞社)