海外情勢

米が欧州からの入国を13日から30日間禁止 英国は除外、物資は対象外

 【ワシントン=住井亨介】トランプ米大統領は11日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてホワイトハウスで国民向けに演説し、英国を除く欧州から外国人が米国への入国を13日から30日間禁止する渡航制限を実施すると発表した。

 米国内の感染者が急増している中で、感染拡大の封じ込めに全力で取り組む姿勢を示す狙いがあるとみられる。ただ、欧米間で人的な流れが滞ることにより、世界経済への悪影響が懸念される。

 また、米国務省は11日、感染の拡大を受け、米国民に国外への渡航について「再検討」するよう勧告を出した。

 トランプ氏は演説で「米国民を守るため連邦政府の全力を注いでいる」と強調。「速やかにこのウイルスに打ち勝つと確信している」と述べた。欧州への厳しい措置の一方で、トランプ氏は中国、韓国の状況が改善すれば渡航制限を見直す考えも示唆した。

 今回の措置についてホワイトハウスが発表した文書によると、入国禁止の対象となるのは、欧州諸国間で国境審査を撤廃した「シェンゲン協定」に加盟する26カ国に直近14日以内に滞在した外国人。

 米国土安全保障省によると、米国の永住権を保持していたり、近親者に米国籍を持つ者がいたりする場合は対象とならない。

 トランプ氏は演説で、欧州からの物資輸入も禁止に対象すると述べたが、その後、物資は対象外だとツイッターで訂正した。

 米国はこれまでに、中国本土とイランについては、14日以内に滞在した外国人の米国への入国を禁じている。

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