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公示地価、全用途5年連続プラス 地方28年ぶり上昇

 国土交通省が18日発表した1月1日時点の公示地価は、全用途の全国平均が前年比プラス1.4%と5年連続で上がった。地方圏は主要4市(札幌、仙台、広島、福岡)を除く地域の全用途平均、商業地がいずれも1992年以来28年ぶりの上昇に転じ、回復の動きが広がってきた。ただ、新型コロナウイルス感染症の影響で景気悪化が進めば、上昇基調からの反転も予想される。

 全国平均の商業地はプラス3.1%で5年連続、住宅地はプラス0.8%で3年続けて上がった。国交省は、オフィス市場の活況、訪日客増加に対応したホテル進出を背景に商業地需要が堅調で、住宅地も交通の便が良い地域を中心にニーズが安定し「上昇基調を強めている」と分析している。

 しかし、新型コロナの影響が長引けば、ホテルや店舗需要が減退したり、金融環境の不安定化で不動産投資市場から資金が流出したりして地価を押し下げる可能性がある。

 東京、大阪、名古屋の三大都市圏は商業地5.4%、住宅地1.1%のプラスだった。

 地方圏全体は商業地が1.5%、住宅地は0.5%上昇。うち主要4市は商業地が11.3%、住宅地は5.9%上がった。4市を除く地方は全用途平均が0.1%、商業地は0.3%上がり、96年から下落していた住宅地も横ばいになった。

 県庁所在地とその通勤圏などで住宅地の価格上昇がみられ、インフラ整備や再開発、自治体による子育て支援の強化で上がった地点もあった。地価の改善につながる要因がない市町村でも下落幅が縮小した地点があり、国交省は「長年の価格低下で値頃感が出た」とみている。

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