海外情勢

香港は「新型コロナ流行終息後にデモ再燃」 香港政治が専門の大学教授が指摘

 香港政治が専門の立教大の倉田徹教授は、新型コロナウイルスの感染拡大で休戦状態にある香港の大規模な反政府デモが流行終息後に再燃すると予測。習近平指導部の肺炎対応に不満を抱く中国の市民にデモが波及する可能性もあると指摘した。

 --新型肺炎でデモは収束するのか

 「市民は感染防止のため集会を自粛し自宅待機を余儀なくされているが、決してデモが沈静化したわけではない。香港では2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)で299人が死亡し、感染症への恐怖が強い。逃亡犯条例改正案を発端としたデモで政府への不信が高まったところに新型肺炎が発生し、マスク不足の深刻化などで不満はさらに募っている。流行が終息すればデモが再燃する可能性が高い。嵐の前の静けさだ」

 --SARS後にも50万人規模のデモが起きた

 「国家分裂行為を禁じる国家安全条例案への反対デモだったが、実際にはSARSをめぐる景気悪化への不満から参加した市民が多かった。今回は米中貿易摩擦とデモ長期化で小売りや観光業などが大打撃を受ける中、新型肺炎が追い打ちをかけた。SARS以上の景気後退を招き市民の不満が爆発する恐れがある」

 --肺炎問題は中国との関係にどう影響するか

 「香港でデモが再燃し、肺炎対応をめぐり政府の責任を問う声が高まれば中国本土に波及する可能性がある。中国では既に、当局が情報を統制したことが感染拡大につながったとして、会員制交流サイト(SNS)で言論の自由を求める声が上がっている。民主化に無関心だった中国の人々が自由を求める香港の闘いに共感しても不思議ではなく、習指導部は新たなリスクを抱えたといえる」

 03~06年、在香港日本総領事館専門調査員。17年から現職。(共同)

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