海外情勢

比、コロナ対策でマニラ封鎖 市民困惑

 新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、フィリピン政府は首都マニラの出入り制限措置を始めた。4月14日まで続ける。外部とつながる主要道路には約200の検問所が設置され、警察や軍が監視に当たった。

 経済への悪影響を最小限にとどめるため、通勤や物流目的の場合は検問所で身分証明書を提示すれば通行できる例外規定を設けた。マニラ北部の検問所では、迷彩服姿で自動小銃を携えた警察官が車やバイク、歩行者に停止を求め、通過目的を確認していた。

 検問所前の数百メートルに及ぶ渋滞で順番待ちをしていたトラック運転手の男性は「不便だがウイルス対策なら仕方がない」とぼやいた。ただ、検問所がない生活道路を使えば隣接州と行き来できるため「どれだけ実効性があるのだろうか」と疑問を呈した。

 今回の措置は、ドゥテルテ大統領が12日のテレビ演説で突然、マニラを「封鎖する」と発表。車や国内航路、航空路線で国内の他の地域との出入りを原則として禁じた。違反した場合は逮捕されることもある。

 ドゥテルテ氏は9日、「封鎖は時期尚早だ」と明言していただけに、急な制限の開始に戸惑う声が聞かれた。物資不足を心配してスーパーで缶詰や飲料水の買い出しをしていた主婦、ファブさんは「出入り禁止は過剰反応だ。発表も唐突過ぎて、生活が混乱すると想像しなかったのだろうか」と批判した。(マニラ 共同)

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