東京株式市場は31日、2019年度の取引を終え、日経平均株価はこの1年間で10.8%下落した。年度末ベースでは、リーマン・ショックが起きた2008年度以来11年ぶりに2年連続のマイナスとなった。「コロナショック」に見舞われた3月は月中の高値と安値の差が4791円と、約29年5カ月ぶりの大きさを記録した。
日経平均の31日終値は、前日比167円96銭安の1万8917円01銭。緊急事態宣言や首都圏の都市封鎖(ロックダウン)を警戒した売りに押され、続落した。
19年度は怒濤(どとう)の相場となった。米中貿易摩擦が緩和し、昨年12月には1年2カ月ぶりに2万4000円台の大台を回復。年が明けると一転、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、投資家心理は急速に冷え込んだ。3月は米国発の株安の連鎖に巻き込まれた。3月末は前月末から2225円95銭下がり、月ベースでは18年12月以来の下落幅となった。昨年末からの3カ月間で、東京証券取引所1部の時価総額は117兆円が吹き飛んだ。
日本取引所グループ(JPX)の清田瞭(あきら)・最高経営責任者(CEO)は31日の記者会見で、今後の市場見通しについて「今は不安感がマーケットを動かしているが、経済活動の制限が実体経済として統計の数字に出てくると、株価はまだまだ揺れ動くだろう」と語った。