経済インサイド

日銀・黒田総裁を翻弄する中国の“大本営発表” (2/2ページ)

 すでに、感染は世界に広がっている。中国一カ国が収束したとしても、「世界的にみたとき、どの程度の期間で完全に収束するかは予測しがたい」(黒田総裁)状況だ。

 16日の時点で欧州など各地の感染者数が、初めて中国本土を上回った。当初、新型コロナは、中国を中心としたアジアの問題とみられていたが、感染が一気に欧米にも広がった。

 これに伴い欧米の金融市場も混乱に陥り、外国人の売買が大きい日本の株式市場なども動揺した。欧米も含めた世界での収束が見通せない限り、市場の混乱も完全には収まらない。

 もっとも、黒田総裁は金融市場と同様、企業の資金繰りについて決して楽観視しているわけではない。16日の会見で黒田総裁は、時限措置とした企業の資金繰り支援について、「さらに必要であれば、当然延長もできる」と指摘することも忘れなかった。

 中国湖北省政府は24日、新型コロナの感染が最初に拡大した同省武漢市を事実上封鎖していた措置を、4月8日に解除すると発表した。湖北省では3月18日から5日連続で新規感染が確認されないなど、感染拡大が収束に向かっていると判断していることが、その理由とみられる。

 しかし、「中国の発表を事実として、うのみにしていいのか」(エコノミスト)などと、中国当局への不信感も根強い。当局の発表とは裏腹に中国の感染拡大が長引けば、比較的短期で日本企業の資金繰り難も解消するという日銀のシナリオも崩れかねない。

 SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは「日銀が資金繰り支援を9月末までとしたのはあくまでも見通しの一つにすぎず、日銀が支援を延長したり拡大したりする可能性もある」と指摘している。

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