海外情勢

韓国の19年出生率過去最低 育休制度整備も少子化加速

 韓国統計庁は先ごろ、女性1人が生涯に産む子供の推定人数を示す「合計特殊出生率」の2019年の統計値が過去最低を記録したことを明らかにした。19年末現在の生産年齢人口の割合も最低を更新。韓国政府は06年から本格的な少子化対策に乗り出し、計185兆ウォン(約16兆3230億円)を投じているが、歯止めはかからず、構造的な経済停滞が懸念されている。

 生産年齢人口は減少基調にあり、19年末現在では前年同期比で約19万人減の約3700万人。人口構成比では72%あるが、統計庁の推計では24年に70%、56年に50%をそれぞれ下回る見通しだ。人口を維持するには2.07の合計特殊出生率が必要とされる。韓国では1983年にこの水準を下回り、2018年に初めて1を割り込んだ。19年はさらに0.92に減少。日本の1.42(18年)と比べても低い。婚姻件数も減っており、19年は前年比で2万件近く落ち込み、約24万件となった。人口1000人当たりの婚姻数は過去最低の4.7件だった。

 政府は出産手当や保育料・幼児教育の支援、新婚夫婦の住宅費補助、育児休業制度の整備などを打ち出してきた。だが厳しい受験競争や就職難、住宅市場高騰などの問題は解消されず、若年層は結婚や出産、育児を後回しにする傾向にある。統計庁は最も早い場合で今年から人口が自然減に転じるとの予測も示している。(ソウル 共同)

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