海外情勢

中国当局が新型コロナ遺族を監視 不満の高まり警戒 連絡も規制

 中国湖北省武漢市で新型コロナウイルスによる死者の遺骨を遺族が受領、埋葬する際、当局側による同行を義務付けられたことが分かった。父親(76)を亡くした50代男性が、共同通信の取材に証言した。男性は「地元政府の情報隠蔽(いんぺい)に憤る遺族が多数おり、当局は遺族がつながるのを恐れている」と指摘。当局は、政府に不満を抱く遺族が抗議活動を起こす事態を警戒し、遺族同士の連絡も規制して監視を強めている。

 男性は当局側の同行を拒み、遺骨を受け取れていない。通信アプリでチャットグループを立ち上げた遺族は警察に連行され、グループは閉鎖となった。

 武漢では3月26日ごろに遺骨の返還を開始。男性は、父親の以前の職場関係者を同行するよう通知された。男性や住民によると、他の遺族も末端の行政組織である「社区」か職場の担当者を同行するよう求められた。中国では社区や企業に当局側の監視役がいる。

 男性の父親は武漢で長年暮らしていたが、認知症が進み他省で男性が介護していた。股関節を骨折し、1月17日に医療補助を受けられる武漢の病院へ男性が車で運んだ。手術後、入院中に発熱。1月末に陽性結果が出て、2月1日に死去した。

 武漢では昨年12月には感染が拡大していたが、当局が人から人への感染を認めたのは今年1月20日。男性は「情報公開されていれば武漢へは戻らなかった」と悔やむ。

 男性は「情報隠しによる『不正常な死』だ」と指摘。「多数の人が感染確定前に亡くなった」と述べ、死者は発表より多いとの認識も示した。

 感染症の検査を受けられず2月上旬に死去した武漢市の60代女性の息子も、当局から「騒がない」ことを条件に3000元(約4万6000円)を支給されたと明らかにした。政府への抗議活動などを起こさないための「口止め料」だと感じたという。(北京 共同)

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