国内

3月求人倍率1.39倍に低下 3年半ぶり水準、失業率も悪化

 厚生労働省が28日発表した3月の有効求人倍率(季節調整値)は1.39倍で、1.45倍だった前月と比べて0.06ポイント低下、3カ月連続の減少となった。1.39倍まで落ち込んだのは2016年9月以来、3年半ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で製造業や宿泊業・飲食サービス業などの新規求人が減った。

 総務省が28日発表した3月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント上昇の2.5%で、2カ月ぶりに悪化した。

 加藤勝信厚労相は同日の記者会見で、有効求人倍率の低下に関し「新型コロナの影響をしっかり把握し、必要な対応を取っていく」と強調。総務省の担当者は「4月の完全失業率はさらに厳しくなる」との見通しを述べた。

 厚労省はコロナ感染拡大の影響に加え、今年1月から求人票の記載項目が増えて募集を控える企業があることも求人倍率低下の要因と指摘。求人票の見直しの影響を除いた倍率は、2月は1.52~1.53倍、3月は1.51倍と試算する。

 新たに受け付けた求職者と求人数の比率を示す3月の新規求人倍率(季節調整値)は前月比で0.04ポイント増加し、2.26倍となったが、感染拡大の影響で求人数以上に求職者が減ったことが理由とみられる。3月の新規求人(原数値)は前年同月比で12.1%減少。業種別では製造業22.8%減、宿泊業・飲食サービス業19.9%減となった。

 完全失業者数は前年同月比2万人増の176万人だった。

 同時に発表した19年度平均の有効求人倍率は前年度に比べて0.07ポイント低下の1.55倍。09年度以来、10年ぶりに減少に転じた。完全失業率は前年度比0.1ポイント低下の2.3%となった。

 厚労省によると、27日時点で新型コロナ関連の解雇や雇い止めは3391人に達した。

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